「終活」は「生き支度」~おひとり様の将来に備えて~
こんにちは。
川木建設 不動産相続相談室の夢川です。
本年ラストとなる「不動産相続勉強会」19クールも、全5回の折り返し地点を迎えました。早いもので、今年のセミナーも残すところ、あと2回。年内最終回まで、皆様にしっかりと情報をお伝えしてまいります。
さて、私自身も各種セミナーなど受講して知識・情報を積極的に収集している日々です。先日は「終活セミナー」に参加してまいりました。自分史の作成を手掛けておられる方と、成年後見を専門とする社会保険労務士様のコラボセミナーでした。講義のほか、参加者自身が自分の「人生年表づくり」をするワークショップなどもあり、大変有意義な時間となっていました。
セミナーのなかで特に印象に残ったのが、【「終活」は「死に支度」ではなく「生き支度」】という言葉です。「終活」という響きは人生の終わりをイメージさせるため、どうしてもネガティブな捉え方をされる方も多いようですが、実際にはこれからの人生を生きるための準備であり、とても前向きな取り組みなのだということを教えていただきました。
将来に向けたさまざまな準備のなかで、実務的なお話としては、「成年後見制度」の利用について取り上げられていました。いわゆる「おひとり様」の相続準備についても、活用できる制度などの説明がありました。認知症等になってしまう前のお元気なうちに、将来のことを信頼できる人に任せる「任意後見契約」を結んでおくことの有効性をあらためて感じました。また、それに付随して次の3つの契約も結んでおくと、亡くなった後の手続きまで含めて、予め誰かに依頼しておくことができるそうです。
◆財産管理委任契約…お元気なうちであっても、身体的な制限などがあってご自身でできないことを依頼できる。
◆見守り契約…「任意後見契約」は認知症等を発症したあとに発効となるが、おひとり様の場合はそのタイミングを見極めることが難しいため、定期的な状況確認をしてもらうことで、必要な時期が来たら任意後見をスタートできるようにしておく。
◆死後事務委任契約…亡くなった後に発生する、葬儀や住まいの片付けに関する手続きを予め依頼しておくことができる。
こうした契約は、すべて公証役場で行うものになっています。公証役場にはさまざまな契約パターンのひな形が多数用意されており、ご自身が依頼したい内容に合わせた契約書作成のご相談にも乗っていただけるそうですので、ぜひご利用になってみてはいかがでしょうか。
「終活」はある程度のご年齢になってから始めるイメージが強いと思いますが、相続は誰にでも必ず訪れるものであり、それがいつなのかは誰にも分かりません。自分とご家族の将来のために、今だからできること、今やっておくべきことから進めていくことが大切だと感じました。私自身も将来に備えた、前向きな「生き支度」を少しずつ始めていこうと思っています。