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「代償分割」の「代償金」には贈与税がかかりますか?

こんにちは。
川木建設 不動産相続相談室の夢川です。

 

おかげさまで大好評をいただきました「実家の相続セミナ-」、今週末の追加開催に向けて再び準備を進めているところです。今後も不定期ではありますが、継続開催を予定しておりますので、随時お知らせいたします。たくさんの皆様にご利用いただけましたら幸いです。

 

さて、今回は「実家の相続セミナー」参加者様からのご質問を紹介したいと思います。

 

【Q.「代償分割」の「代償金」には贈与税がかかりますか?】

本題に入る前に、まずは遺産分割の方法についてですが、大きく3つの方法が考えられます。1つ目は「現物分割」・・・これは不動産・現預金など、遺された財産をそのままの形で引き継ぐ方法です。2つ目は「換価分割」・・・こちらは不動産を売却する等、お金に変えてから分割する方法です。そして3つ目が、今回のご質問に登場している「代償分割」です。

 

例えば遺された財産が実家の不動産のみで、相続人は複数いるケースを考えてみましょう。この場合、相続人の一人が実家の不動産を相続してしまうと、財産を独り占めするような形になり、他の相続人は相続権があるにも関わらず、何も相続できないという状況になってしまいます。この不公平を解消するために、実家の不動産を相続した相続人が、他の相続人に対してお金(代償金と呼ばれます)を渡すことで解決する・・・こうした方法がいわゆる「代償分割」です。

 

ここでご質問の内容ですが、この「代償金」のやり取りは贈与にあたるのか?だとしたら、受け取った側に贈与税がかかるのではないか?という疑問が生じてきます。

 

結論としては、代償分割を行って他の相続人に代償金を支払う場合、その旨が遺産分割協議書に明記されていれば、代償金には贈与税は課税されないそうです。ただし、必要以上に高額の代償金を支払った場合は、贈与税の課税対象になる可能性も否めないため、実際のケースについては税理士の先生にご確認されることをお勧めします。

 

ちなみに、代償分割を行った場合の相続税の課税価格についても触れておくと、以下のようになります。
(相続税も代償金のやり取りを考慮した上で課税されることがわかりますね)

 

■代償金を支払った人:課税価格=相続税評価額-代償金額
■代償金を受け取った人:課税価格=相続税評価額+代償金額

 

日本人の相続財産は、不動産が大きな割合を占めています。現預金等が少ない場合、分け方が難しくなり、揉める原因にもなってしまいます。予め財産の棚卸しと法定相続人を把握し、遺産分割の方法についても予め考えていただければと思います。