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「セットバック」が必要な土地は、財産評価が下がる?

こんにちは。

川木建設 不動産相続相談室の夢川です。

 

2021年6月9日(水)、「第43回不動産相続勉強会」を開催しました。第9クールも第3回目、全5回の折り返し地点を迎えました。テーマは「STEP3~相続税と不動産評価~」。相続に加えて不動産の知識も登場してくる重要な回です。今回は不動産評価についていただいたQ&Aをご紹介します。

 

【Q.「セットバック」が必要な土地は、財産評価が下がりますか?】

まず前提として、建築基準法上、建物の敷地は幅4m以上の道路に2m以上接していなければなりません(接道義務)。これは、消防車や救急車などの緊急車両の通行に支障をきたさないように配慮された規定です。

 

しかし、この建築基準法が制定される以前に建築された建物の敷地は、幅4m未満の道路に接している場合も多くあります。こうした土地については、建物を再建築する際、道路の中心線から水平距離で2m(道路の片側が崖地、川、水路などの場合はその道路境界線から4m)後退した線を道路境界としなければなりません。これを「セットバック」と呼びます。

 

「セットバック」が行われる場合、新たに道路となる部分には建物を建築することはもちろん、門や塀、駐車場を設けることもできなくなります。そうした制限が生じることから、このような土地について財産評価をする際は、セットバックすべき部分の評価額を下げられることになっています。具体的には、セットバックすべき部分について、通常の評価額から70%相当額を控除(=30%の評価額)することになります。

 

※余談ですが、道路の幅、中心、境界等は目視で確認できない場合もあります。ご自身で見たり測ったりした内容が誤っていることもありますので、正確な情報は自治体の建築指導課でご確認ください。

 

↑セットバックのイメージ図。相続勉強会では、こうした図解をホワイトボードに描きながらご説明しています!

 

土地にはさまざまな個性があります。今回の道路幅もその一つですが、不整形、高低差や斜面がある等、利用に制限が生じるような状況も多々あるでしょう。こうした土地は財産評価額を下げられる可能性が大きくなります。地図だけではこれらを見極めることが難しいので、専門家への現地調査依頼をお勧めいたします。